nuitomeru / うつわ うたたね
家の中にある
使わないのに、ずっと置いてあるものを、
全て処分した。
使われていないもの、
そして、あることで心地よくないものが、
惰性で家に居続けるのが、いやなのだ。
使うものか、
あるだけでうれしくなるものだけ。
家にあるのは、どちらかだ。
引き取りも兼ねて、
リサイクルショップに持っていたが、
やはりほとんどに値がつかなかった。
使えるものばかりだったが、私たちには必要のないもの。
この世の中の誰かが欲しいものかもしれないのに、
そのひとに託す術がない。
「何かを得ることは、
逆に何かを失うこと」
各家庭にものが行き渡り、余っているような状態の中で、
「つくる」ということがどういうことなのか?
消費を促す場、ではなく、
いろんな価値観を超えて、
つくり手、つかい手ともに、
考え続けていける場所がいい。
そんなこと思った今日のご紹介は、
●nuitomeru●
「私たちは何でつくるんでしょうね?」と
そんな話をさせてもらった
nuitomeruの重森夫妻。
今までものづくりの仕事にずっと携わり、
革や布をつかった鞄や小物を手掛ける「nuitomeru」を立ち上げ、
今年からは大阪から滋賀へ拠点を移し、
新たな環境で制作活動をされているお2人。
「わたしたちは、何気ない日常に寄り添うものが好きです。
何かを作る時、その「もの」に使う素材、
その原料、その原料となる生き物の命にまで思いを馳せ、
それらを「もの」へと変えていくまでの、幾つもの「人の手・仕事」、
ものが出来上がるまでの過程を大切にしたいと思っています。」
真摯なものづくりへの姿勢と、
ストイックな人たちかと思わせながらも、
実は、あっけらかんと軽やかなお人柄を知り、
ふっと緊張が解ける。
確かな技術と素材から生み出されるシンプルな鞄や雑貨。
驚くほどしなやかで柔らかい鹿革や、
杞柳布というシルクと綿を平織りしたキャンバス地を
草木染めしたオリジナルの生地など、
つかう素材にはどれも思いや物語が込められています。
nuitomeruさんのブログに、
私が今思っていることがそのままに書かれてあったので、
転載させていただいと思います。
「はたして自分たちはこれまでのように、
ものを作り続ける毎日で良いのか、
この冬は悩み続けていました。
そしてその葛藤は現在進行形で、日常に寄り添うものを作る、
と言いつつ、実はそれ自体が本来のあるべき姿や営みから
解離していないかと心配になり、
今までの生き方すらも疑問に思いながら、
自分たちの日常と仕事、それを見つめ直す作業をしています。
今は続ける意味があるとまだ思いたいのかもしれませんが、
大きく舵を切る必要があるかないかは、
自分からであれ、環境からであれ、いずれ現実が教えてくれると思っています。
自分たちは、今は「ものを作ること」でしか、
生活の糧を得られる手段がありません。
どんな形ででも社会的に存在意義のあるものづくりをしていきたい。
それは、ヌイトメルを始める前から感じていたことで、
この仕事を続ける原動力となっています。
いずれ作るものが何に変わるかわかりませんが、これからもただ作っていきます。
そして、同時に正しい消費、自分に正直な行動を積み重ねた、
よりシンプルな日常を目指したいと思います。
おこがましくもなぜこんなことを書くのかというと、
理想と現実の違いや、自分に対する色々な悩み、後ろ向きに考えがちで
すぐ諦めてしまう心との葛藤がありながらも、
前を向いて生きていたいという思いがあり、
ものづくりを通して、ほんの少しですが、
正しく有意義なお金の循環の一助となりたいと考えているからです。
生産者として、何を考えているかをお伝えしていくことは、意義のあることだと思っています。
ものづくりを巡りあれこれ考えるうち、
消費者としてもなおさらそうありたいと考えるようにもなり、
自分のこれまでの消費のありかたも見直しています。
消費を膨張させながら発展した経済、経済成長ありきの生活、
それを見直すとは具体的にどう行動すれば良いのか、
自分の行動で何かが変わるほど、世の中は簡単ではないですが、
ひとつひとつ考えながらやっていきます。
「正しく」という言葉は価値観や立場の違いで意味合いが変わるものですので、
難しいですが・・・
ただ、少しずつでも、明るい未来を切り開くことができたら、という希望を持って。」
同じようなことを考えているひとがいる。
そう思うと、自分たちもいろんなことに向き合いながら、
やっていけるような勇気がもらえます。
nuitomeru → ●
●うつわ うたたね●
うつわをつくり出して、10数年。
日中の本業が終わって、夜中に作陶する。という生活を
ずっとずっと続けておられる、うたたねさん。
白化粧を薄めにかけ、表情をより引き出すように
つくった粉引きのうつわや、
粉引きに鉄が浮き出てくるように、
試行錯誤して練り上げた土をつかったうつわなど、
手づくり市などのお客さまと向き合うイベントに
出るようになってから、
つくるうつわも意識もまた新たに変わっていったそう。
長くつくっておられても、
どんどんつくっておられても、
つくっていると、
あの釉薬をかけてみたら、どうなるだろうか、とか
線の調子を変えてみたら、どうなるだろうか、とか、
ひとの作品を見ても、未だに新たな発見も多く、
落ち込むことも多いそうですが、
きっとそうやって、よりいいものを。と
満足せずに追求していく真摯な姿勢と、つくり出されるうつわ、
そして、喋り出すと、止まらなくなる、
うたたねさんのお人柄に
惹かれてしまうひとが、たくさんいるのだ。
「日々の暮らしに寄り添うものを、
明日もごはんをこれを使おう、と思ってもらえるものを、
これからもつくっていきたいと考えています。」
うつわ うたたね → ●



























